toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

上坂吉則「Matlab 可視化プログラミング」牧野書店 2011

上坂先生は RWC の理論グループの superviser 的な存在で会合でときどきお話をさせていただきました。修士の時に連想記憶の記憶容量の研究をしていたので、上坂・尾関の結果というのでもちろん名前は存じ上げていました。実際にお会いすると、物腰はやわらかいですが、議論になると切れ味の鋭いコメントをされる方という印象でした。今回この記事を書く際に調べたところ上坂先生は 2019 年にご逝去されていることを知りました。ご冥福をお祈りします。

 

上坂先生はどちらかというと理論家という印象をもっていたのですが、著書を見ると結構プログラム言語の本をたくさん出版されています。今回取り上げた本は私が唯一もっている上坂先生の著書ですが、matlab のグラフィック周りを少し知りたいと思って買った本です。実際にはこの頃からあまり matlab は使わなくなってしまったのであまりこの本を開くことはありませんでした。

 

独立成分分析をやっていたころはメインの言語は matlab でした。統計関係は R で信号処理は matlab という大まかな使い分けをしていたように思います。matlab は生物医学系の方が使っているイメージが強くて、お金持ちの言語という感じです。

 

産総研はアカデミックではないので高価な上、研究所で基本ライセンスは取っているのに Toolbox を追加するには別途基本ライセンスから買いなおさなければならないというのはユーザとしてはなんとかならないかなと思ってしまいます。大学だとアカデミック価格で安く買えますが、学生向けに安く提供して大人になってから高く使ってもらおうということでしょうね。

 

いずれにしても python や R で済ますようになり、matlab はほとんど使わなくなりました。企業などではフリーの python や R だと信頼性の問題で matlab を使うとかもあるようですが、研究現場ではメリットがなくなりました。あと、桑谷さんとか地質分野では matlab を使うのもあるようです。