toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

Nello Cristianini, John Shawe-Taylor 「サポートベクターマシン入門」共立出版,2005

1990年代の半ばに登場したサポートベクターマシン(SVM)ですが,日本語でちゃんと書かれた本としてはこの本が最初だと思うので,かなり遅かったということになります.ただ,そのころにはいろいろな情報源から知ることができました.

 

私が最初に SVM を知ったのはたぶん少し遅くて,たぶん当時電総研に入って間もなかった津田宏治さんから聞いたのだと思います.津田さんは京大で飛び級で博士を取ったということでしたが,なぜか私の居室にもよく来てくださって,いろいろ議論させていただきました.1999 年の IJCNN ではワシントン DC にも行ったりして行動を共にすることも多かったですが,津田さんはその後トップカンファランス主体で活動されるようになり,産総研になってゲノム解析のセンターに行かれたこともあって少し隔たりができてしまいました.

 

SVM についてはつくばに Klaus Robert Muller さんが来られて講演をされていたのも覚えています. このころはまだ私はあまり SVM のことは理解していませんでしたが,これをきっかけに勉強して,これもなぜか津田さんと数理科学に解説を書いたり,渡辺澄夫さんにチュートリアルを頼まれたりするうちに,統数研の伊庭さんに目をつけられてカーネル本を書くところまで行ってしまいました.本当に自分の人生は人との出会いでできているんだなと思います.

 

Klaus さんは私が電総研に入って間もないころ甘利研に滞在されて,勉強合宿(その時は合宿ではありませんでしたが)で私が適当に時間変化する場合の学習理論を考えているみたいな話をしたときに,いろいろコメントをもらった記憶があります(たぶん本人は忘れているでしょう).その後いろいろなところでつかず離れずのおつきあいでしたが,どこかの国際会議(ICONIPか何か忘れましたが)が九州とかであったときに Klaus さんや数名の若手とホテルの部屋で遅くまで飲んだりしました.あとは,津田さんがドイツに滞在していた時期には,津田さん主導で Fisher カーネルの話で共著論文も書かせていただきました.最近では Information geometry の特集号の editor を村田さんから頼まれましたが,Klaus さんと Hyvarinen さんが入っていたので一応知り合いとして認知はしてもらっていると思います.