久々に大学時代に使っていた本から。
以前に線形代数の教科書は紹介しましたが、高校時代に大学での数学にほとんど触れてこなかった私には教科書だけではハードルが高く、見た目易しそうなこの本で問題を解くことでなんとか理解しました。
いまどきは「○○勉強法」とかいう本がいっぱい出ていますが、子供のころから勉強の方法というのはどうすればいいかよくわかっていませんでした。
それはこの歳になってもそんなに進歩していない気もします。
むしろ大学時代の時のように、テストの点数のような形で理解度が測れればよいのですが、研究の場合は、その知識を使って新たな研究を進められるかどうかという、高度で漠然としたものとなります。また、そうした場合はすべてを理解するというよりは、自分の研究に使える部分を抜き取って使うというようなこともあります。
ただし、そういう断片的な知識ばかり積み重ねていくと、体系的な知識としてわかったと思えるようになるのに相当な時間がかかってしまいます。
なので、たまには本一冊じっくりと勉強して一つの分野を通して勉強するということが必要なのかなと思います。
もう一つ、こういう問題集をやる利点として、具体例で理解するという作業の重要性です。数学の本というのは基本的には抽象的な表現で書かれているので、自分で具体例を作れるかどうかというのは理解できているかという一つのファクターではあると思います。
院生時代に、すごく難しい可解格子模型か何かの研究をしている学生さんがいたんですが、研究発表の時に先生から「具体例で説明してください」と言われたときに、結局全く出来なくて立ち往生していました。それ以降、自分が何か説明するときに、具体例をすぐに用意できるようには心がけるようになりました。また、機械学習とかで、簡単なモデルで数値実験するときに、本質的で単純なモデルを作るという作業もある種似たようなものだと思います。