toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

T.ポストン,I.スチュワート 「カタストロフィー理論とその応用/理論編」サイエンス社1980

修士ではニューラルネットの研究で,統計物理が驚異的にいろんな結果を出すのを眺めている感じでした.その強力な解析ツールと物理学者ならではの押し出しの強さに圧倒されてもいました.

 

そんな中,修士の研究に注目してもらえて,京大の基礎物理学研究所(基研)の研究会に呼んでもらいました.「非可逆な多体系への統計物理及びその周辺分野からのアプローチ」というやつで,今見ると自分の後に池上さんがトークされていてそういえば個性の強い人がいたなということをなんとなく思い出しました.というか今プログラムを見ると鷲尾先生もいるし,今も怪しげ満載な郡司さん(当時はペギオはついていなかった)なんかもいることに衝撃を受けました.そのときの発表は私の説明が悪くて,そもそも連想記憶の記憶容量の話がちゃんと通じなくて,修論の内容まで到達できなくて残念な思い出があります.

 

その後,オランダに行った先も Kappen は基本的に物理学の人で,混合分布の話でしたがそれをボルツマンマシンと捉えるという感じでした.最終的にD論のメインテーマとなった話は,私があまり認識していなかった分岐現象の話で,オランダから帰ってから少し勉強しなければと思ってこの本を買いました.主軸はトムの分類定理で,私の研究とは直接関係ない感じだったので実はほとんど読んでいません.

 

ただ,物理学の人が相転移が好きで,理論をごちゃごちゃやった上で,相図を書いて面白いことを発見して論文を書くというスタイルだということはこうした経験をもとにだんだん学んでいきました.