toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

P. McCullagh, John A. Nelder "Generalized Linear Models" Chapman & Hall 1989

以前にも一般化線形モデルについて書きましたが、一般化線形モデルというのは定義がややわかりにくいし、わかってもあまりすっきりとはしません。Bregman ダイバージェンスのようにもうちょっと広い概念を含んでいてもいいと思うのですが、確率分布とリンク関数から決まるバリエーションとしては少し狭いような気がしてしまいます。私の勘違いで十分広い分布族を含んでいるのかもしれませんが。いずれにしても、そのあたり私がいろいろ文句を言っても始まらないので勉強される方はしっかり一般化線形モデルの定義を勉強するほうが無難です。

 

このようにそもそも定義に疑問が残るというものはいくつかあります。特に歴史的な経緯でそうなっているとかそういうのはいっそのこと過去は切り捨ててすっきりと美しい定義にしてしまった方がよいと思うものも多いと思います。ただし、保守層というのは一定数いて、それなりの論理を持っているので難しいところです。

 

一方、研究所なんかは伝統というのがある種の空気感を生み出すので、なんでもかんでも新しくすればいいというものではないと思います。昨今の産総研なんかはそういうことは全く考えていないので、私のいる旧電総研の数少ないエリアだけが貴重なエリアとして残るにすぎなくなりました。私が退職するまでは少なくとも大事にしたい場所です。