toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

渡辺茂,須賀雅夫「システム工学とは何か 改訂版」NHKブックス 1977

大学の時にシステム工学という講義があってその時に購入した本だと思います.まえがきには「システム工学とは,組織をコンピュータで解明しようとする学問である」と書いてあり,正直これではなんのことやらわかりません.システムとは要素論的ではない複合的な何かという感じはしますし,私の苦手なロボットとかものづくりのにおいがしてしまいます.

 

この本で取り上げられているのは,OR に関連する最適化などの技術(そういえばこれまでORに関してはほとんど何も書いてこなかった気がします)のほか,行政だったりいろんな話が出てきます.研究と行政とは細い糸でのみつながっている方が健全という考え方なので,そういうのが出てくるとちょっと敬遠したいなという気持ちになってしまいます.プロジェクトXみたいな話は,視聴者としては感銘を受けますが自分がその中に入りたいとは全然思えません.

 

一方で,産総研ではここのところ10年くらいは企業との共同研究なんかに携わることが多くて,そういう場面では「壊して調べるのが好き」みたいな発想は抑えて,システム工学的な考え方を知らず知らずのうちにしていることもあります.ですが,その部分も理論的な研究として頭を使う部分とは人格を分けて対応している自分がいます.

 

そうやって自分の中でモードを切り替えることで自分が何を目指しているのかということを明確化できるように思えるからです.人間一人の人格は複雑でさまざまな相反するものが入っていると思いますが,切り分けることでそれぞれの能力が精鋭化されてパフォーマンスが発揮できる気がします.これらはあくまでそう思うというだけで,全く科学的でもなんでもない妄想なのかもしれません.