toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

Christian P. Robert, "The Bayesian Choice", Springer 1994

1995 年の夏に3か月ほどですがオランダの研究所に滞在しました。

 

当時通産省のリアルワールドコンピューティングプログラム(RWCP)に参加していた Bert Kappen (ちなみに正式には Bert = Hilbert) から大津さんに招聘研究員の枠があるというオファーがあって、私に話が回ってきたという次第です。

 

オランダの話はいろいろあるので、ここでもぼちぼちしようと思いますが、今回はオランダ滞在中にフランスであった Mixture workshop という会合に参加した話になります。 当時 mixture の推定で使う EM algorithm とかの情報幾何をやっていたので、関係しそうだと思って、オランダ滞在中ということもあり参加をエントリーしました。

 

オランダから電車を乗り継ぎ、パリからは TGV でリヨンまで行き、そこからローカル線に乗り換えて、イタリア国境付近にあるモダーヌ Modane というイタリアアルプスの山腹の山小屋で合宿式の会議が行われました。アルプスの少女ハイジとかサウンドオブミュージックとかに出てきそうなのどかな村でした。

 

今も割とそうですが、私は統計関係の人脈はほとんどないので、もちろん知っている人は少なかったのですが、実はこの会議はベイジアンの会議ということがわかり、主催していた Christianl Robert と Mike West は若手の新進気鋭という感じで、そのときの私は知りませんでしたが何名かの統計会の大御所も参加されていたみたいです(今となっては怪しいけど Peter Green とか Bruce Lindsayとかもいたかも)。 当時は MCMC も知らず、会議の間ずっとバズっていたので日本に帰ってから一生懸命勉強しました。

 

というわけでここで名前を知った Christian Robertの本ということで買ってみました。パラパラしか見てませんが、若手ベイジアン の旗手である Christian Robert が精魂込めたって感じの気合の入った本です。とにかく中身が豊富で、なんでも書いてある気がします。会議であったときはどこにでもいそうな気さくなお兄ちゃんって感じでしたけど。

 

そういえば帰りはフランスがストライキで電車が止まってどうなるかと思いましたがなんとかオランダまで戻ることができてほっとした記憶があります。