toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

Grace Wahba, "Spline Models for Observational Data", SIAM 1990

この本はカーネル法ガウス過程回帰の関係性や Leave-one-out CV の導出について参考になった本です。特に、(カーネル本には書いていませんが)ガウス過程の RKHS ノルム期待値は発散するというのはちょっと面白い話です。例によって Grace Wahba 先生とは面識ありません。人づてで話を聞いたことはありますが。

 

何よりこの本のいいところは洋書なのに薄い点です。ビショップ本をはじめ多くの洋書は無駄に分厚いのですが、Wahba のこの本はすごく薄いです(いつか取り上げるとある本よりは分厚いですが)。

 

本というのはだいたいどうしても知らなくてはならない知識が2割であとの8割はだいたいどうでもいい話とかマニアックでちょっと面白い話が入っているのがちょうどいいバランスのように思います。計数時代の講義でも、だいたい教科書の最初の数ページが重要で、そこをしっかり理解していれば単位は取れるという感じでした。

 

もちろん研究者として深めていくには、残りの8割も(必要に応じて選ぶとして)重要だとは思いますが、私はどちらかというと広く浅く研究するタイプなので、だいたい最初の方に書いてあることがわかればいいかなと思っています。ただし、本によっては最初の方は本当の準備で、大事なことは後に書いてあるパターンもあり、そういう本はちょっと読むのに苦労します。