toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

David Mackay "Information Theory, Inference and Learning Algorithms" Cambridge University Press 2003

若いころからとんでもない能力を発揮する人たちというのが時々登場します。

 

この本の著者の David Mackay というのはそのような人の一人で、自分より年下の研究者でこんなすごい人がいるというのは若手の研究者にとっては結構挫折に近い気持ちを抱かせます。残念ながら Mackay には直接の面識はありませんでしたが、当然存在感は機械学習業界で圧倒的でした。

 

その上、数年前に早世されたときにはいろいろなことを考えさせられました。短命で後世にすごい影響力のある生き方をするのか、微妙な感じでだらだらと長生きするのかというのはこの歳になるとなかなか大きな問題です。もちろんそのどちらかを選ぶオプションというのはないわけなので、あくまで仮想的な思考実験に過ぎないのですが、コロナ禍でだらだら過ごして来た期間には余計にそのようなことを思いめぐらしました。

 

世の中に自分の足跡を残しておきたいという気持ち、現生で意味もなく楽しく過ごしたいという気持ちの間でいろいろ揺れ動きます。まあなんとなく自分は前者はあきらめていて後者の志向が強い気もしますが、それじゃあ別にいてもいなくても意味ないんじゃないかとか妙に哲学的な思いにとらわれます。

 

まあ最近書いているこの備忘録も、自分が忘れないためでもあり、ほかの人に自分を覚えていてほしいという欲求の表れでもあり、でもそんなに宣伝しないのは密かに自分のことを本当に知ってほしい人にだけ知られたいというややこしい心情の表れではあります。