toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

M.G.ケンドール「多変量解析の基礎」サイエンス社 1972

この本をいつ買ったのか覚えていませんが,たぶん修士の時だったと思います.当然ながら Kendall の名前も知らなかったと思いますが,この古典的な教科書をなぜ選んだかもよくわかりません.ただ,洋書が原著の割に薄くて,内容段落ごとに番号がついているこのスタイルは区切りがわかりやすくて好きです.あと,訳者の浦昭二先生のお名前はむしろプログラミング言語の解説とかでよく見かけました.

 

この本では正準相関分析についても触れられており,例を含めても本質的には2~3ページで説明されています.ただし,話の枕が回帰分析についていろいろ書かれていて,いわゆる正準相関分析の図的なイメージもないので,これを呼んだ時はいまいちピンと来ていませんでした.

 

当時情報数理研究室では正準相関分析を非線形化する話が大津さん,栗田さん,麻生さんによってやられていました.高知県の工業試験所のようなところから出向で来られていた武市さんという方と麻生さんがニューラルネットを使った非線形正準相関分析の学習を ICANN で発表されていて,やっとその頃からなんとなく正準相関分析のイメージがつかめてきました.

 

武市さんをはじめ,以前は地方の工業試験所からの出向を受け入れていました.私が電総研に入って割とすぐに大分から佐藤辰雄さんという方が来られて,高次自己相関特徴から不変量を作るという話を一緒にさせていただきました.佐藤さんには車のバッテリーが上がったときに助けてもらったり,私もまだ電総研入りたてで,いろいろお世話になりました.武市さんには高知に呼んでもらって,名所めぐりや美味しいものを食べに連れて行ってもらいました.

 

こうしていろいろな人が出入りしていたのは,たぶん大津さんにカリスマ性があったからだと思いますが,その後はそういう話はあまりないのは我ながら人徳がないなと思います.