toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

M.F.Grunden, H.B.Henbest「基礎有機化学 有機化合物の構造と反応 改訂版」東京化学同人 1978

大学受験で理科は物理と化学を選択しました。物理は法則が中心で覚えることも少なかったのですが、化学は覚えることだらけで記憶力が悪い私には苦手な教科でした。高校の化学の教科書があまりにも理論がなく覚えるだけという感じがしたので、本屋で見かけてよさそうだと思ったこの本(あと無機化学の本)を買って勉強しました。

 

ただし、まあ当然ですがこれは大学生向けの本なのでレベルが高すぎたのと、やはり化学というのは多体系の物理現象が関わるので、完全に法則化できるはずもなく、ある程度はケースバイケースで記憶するしかないということがわかりました。逆にその多様性や複雑さが化学の魅力なので好きな人はそういうところが好きなんだろうなと思います。産総研で触媒反応の機械学習というようなテーマで研究することもありますが、分子動力学計算のような大変なシミュレーションと機械学習によってどのような物性が関連しているかというような研究を見ると、化学反応の規則性みたいなのは恐ろしく複雑なんだということがわかります。生物はもっと複雑だと思いますが。

 

大学入試は東大のほかに早稲田と慶應を受験しました。東京に一人で旅行することもなかったし、一人でホテルに泊まるという経験もしたことがなく、それ自体が冒険でした。東大の二次試験の前日が慶應の発表で、慶應に発表を見に行った記憶がかすかにあります。東大と早稲田の時は今はなくなっていますが千鳥ヶ淵にあるフェアモントホテルというところに泊まりました。今覚えば学生の分際でぜいたくなところに泊まったものです。試験の緊張でというより、一人で東京に来たという感覚でなかなか寝付けなかったように思います。朝はモーニングコールしてもらって、確かお昼用にカツサンドをホテルが準備してくれて(たぶん受験生プランみたいなやつ?)受験に向かいました。

 

合格発表は母と二人で見に来ましたが、合格するといろいろ手続きのために東京に滞在する必要があります。北区の王子に母の親戚がいたので、そちらに泊めてもらいました。その親類の方に築地に連れて行っていただいて合格祝いにお寿司をごちそうになりました。下宿先も決める必要があったのですが、時間もなかったので結局以前に書いた従兄がいた日吉台学生ハイツに申し込んだと思います。