toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

常総大水害について

今年の秋,鬼怒川が決壊して常総市が水没して大変なことになったことはほとんど誰でも知っていると思うが(出張で行った松山ですら大々的に報道されていてみんなニュースに釘付けだった)最近は報道も少なくなってきたと思うのでちょっと記録しておく.


まあどんな災害でも自分や家族に直接影響がなければだんだん興味は薄らいでいくものだ.
それに結果的に今回の水害では死者は災害規模に比べて奇跡的に少なかったということもある(少なかろうが亡くなった方はいるので深くご冥福をお祈りする).


東日本大震災や北条の竜巻の時はFacebookなんかでも結構多くの連絡が来たが,今回はほとんど連絡はなかった.
もちろん私の住んでいるところは大丈夫だったのだが,決壊が起きたところはつくば駅から10kmそこそこで車で行けば15分くらいで,北条に行くより近いところの話なのに,自治体が違うだけでこれだけ違うのかと思った次第.


縁があって,私もほぼ水が引いた後一日だけ復旧のボランティアに行ったのだが,がれきの山がものすごくてどこから手を付けていいかわからないくらい圧倒的な災害だと思った.
死者が少なくて済んだのは,決壊したごく近くを除いて1日から2日かけてゆっくりと水が広がっていったということもあるようだ.
最初は水が来なくて大丈夫だと思っていたら二日後に1階の天井まで水がどんどん押し寄せてきたという話も聞いた.


結果的に東京の山手線の長さを超える広い地域が水没した.
都内の人にはわかりにくいと思うので都心にマップしたツイートを張っておく.


一度あふれた水は海と違って戻っていかないのでかなり長い間水につかっていた.
常総市に行った時の感想は,こんなところに果たして住めるのかというものであったが,復興は着実に進んだ.


鬼怒川に沿って守谷から下妻に抜ける常総線は,やっと最近完全復旧した.水没して曲がりくねった線路を考えると信じられない早さでの復旧だ.

関東鉄道常総線復旧の記念列車を運行」
http://www.sankei.com/life/news/151128/lif1511280027-n1.html


当初はつくば市の体育館などにもかなりの住民の方が避難されていたが,避難所もやっとすべて閉鎖された.
ただし,これは避難者がいなくなったのではなく,旅館などに移っただけであって,まだ多くの人が元の生活を取り戻せていない.

「鬼怒川決壊今年の寒さ身に染みる 年越し避難50人近く」
http://mainichi.jp/articles/20151209/k00/00m/040/071000c

そもそも鬼怒川・利根川は江戸東京を守るために流れを変えた歴史があり,中央と地方との格差を見る思いもある.

「鬼怒川大水害 これは偏った治水政策が招いた「人災」だ!常総市は「首都を守る」ために犠牲となった!?」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/45315

(若干煽り気味の記事であることは割り引く必要があるが...)


つくばに住んでいて思うのは,山手線の南西側から横浜にかけての「山の手+その続き」と北東側から茨城・埼玉・千葉の「下町+その続き」との間の格差である.
まあそんな中でもつくば市は別格で恵まれている部分も多いのだが,一歩外に出るとそれをひしひしと感じてしまう.


あまり悲嘆することもないと思うのは,昨今流行りのふるさと納税常総市が返礼品なしになってしまったにもかかわらず大幅に納税額が増えたというニュースである.

「豪雨禍救え ふるさと納税急増 返礼分を「義援金に」 茨城県常総市へ 」
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=35288

SNSでの呼びかけもかなり効果があったようだ.


あと,現代的だなと思ったのは,クラウドファンディングを使って病院の復興を進めているという話.

「【鬼怒川決壊で8億円の被害病院、12月6日全面復旧】クラウドファンディング利用し全国から400万円の支援金を集める」
https://www.value-press.com/pressrelease/152636

市職員の残業云々もニュースになっているようだが,そもそも市役所まで水没してしまってその苦労は想像するに余りある.


自分には大したことはできないが,これからもウォッチはしてできるだけ情報を伝える努力はしていきたい.


追記1:参加したボランティアについて追記

一番の懸念は感染症の広がりであった.分厚いマスクはもちろん,ゴム手袋やゴム長靴など完全防備で作業を行い,作業したものはすべてきれいに洗浄処理.
ただし,ずっと住み続けなくてはならない方々(2階だけ無事という人が結構いる)はそんなことも言っていられず不安だったと思う.
なお,ボランティアは公式のもののほか,私が参加したのは某団体関連で知り合いの家の手伝いから広がって,知り合いの知り合い,またその知り合いという具合に広がっていった.
とりあえずの撤去作業だけでも作業は無限と思われるくらいあった.完全復旧にはどれくらい時間がかかるのか想像もつかない.


追記2:AKBさんも

鬼怒川決壊 AKB「常総必ず復興」 市民にエール
http://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=14482810593112