toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

国と国,多目的最適化・クラスタリング

震災以来これまであまり見えていなかった問題が明らかになってきて,書きたいことは増えた.
ただし,twitter など多くの読者がいるところではあまり重い話を書くのも読むのも好きではないので読者の少ないこちらの話題がどうしても重くなる.


日本に対する援助やら規制やらを見ていると,いずれにしても対岸の火事,他人事感覚であるというのはどうしても感じてしまう.
「金や技術は出してやるからリスクをこっちの国には絶対入れるな」
と言っているかのような意識である.
その上竹島問題やら北方領土やら領土問題でいろいろもめている.


そもそも世界というのが一つの国だったら領土問題だって震災(原発)問題だって他人事ではすまないだろう.
国を救うためには多少の放射能なら受け入れるとか,本当の危機的状態を避けるためには多少の拡散はやむを得ない,といった論調が主流になってもいいはずだ.
国連というのもありいろいろ動いてはいるが,基本的には国連は単なる調停の場であって何か強い力を持っているものではない.


そもそも国とは何か.
人間一人一人は小さな力しかない.
これを非常に単純化したモデルで考えてみよう.
人間 x のもつ力を f(x) としよう.
x さんと y さんがグループを作ればそれぞれの人は f(x) + f(y) という力を持つことができる.
ただし f(x) と f(y) が逆向きであれば打ち消して 0 となってしまう.
同じような向きの f を持っている人が集まることが大切である.
今ある国々はそうしたグループ化の現段階における解(最適であるとは限らないが)になっている.
こうしたグループ化はデータ解析などでクラスタリングと呼ばれるものと同じである.


それぞれの国 A が最適化関数 G(A) を持っていて,それぞれが最適になるように政策などが決定される.
これは最適化で言う多目的最適化問題で,当たり前のことだが一般的にはすべての国が幸せになれる解は存在しない.
違う国同士は同じ向きの問題に対しては協力し,違う向きの問題に対しては反発し合う.
ただし,問題をうまく設定すれば「違う向き」の成分を最小限にすることが考えられる.
放射能を絶対に入れないとか,農産物水産物全面輸入禁止とか,そういう極端な解は「違う向き」を強調しすぎている気がして,歩み寄りが全くない.
まあ国の態度としては仕方がないかもしれないが,一般市民にはそういう極端な思考になってもらいたくない.
ほとんどの国民にとって領土問題や放射能の問題など個人レベルでは実際大した問題ではないはずなのだ.
現状ではどうしたらいいのかよくわからないが,ちゃんと世界中の人たちが合理的な思考のできる教育を受けて,合理的な判断のできる人間が増えて上記のような問題もうまく解決していってもらいたいと願う.


それにしても,100億円寄付する人とかはいるけど,100シーベルト引き受けますみたいな人っていないよな.
ただし,避難地域で医療に当たられている方とか,原発の現場で作業されている人はそれに近い.
本当に頭が下がる.