toddler’s diary

以前は研究にあまり関係ない雑談・2023年4月から本を通じた自分の振り返りやってます

できるだけ普通の機材で惑星を撮る(前編)

新型コロナで職場も出勤自粛で原則テレワークとなり少なくとも5月いっぱいまでは引きこもりです.

基本的には家の隅っこで迷惑にならないようにじっとしていますが,数少ない楽しみである写真もたまには撮ってみたい.

現在  火星・土星・木星が夜明け前の空に並んで見られるということで,惑星撮影してみました.

 

惑星撮影でググると CMOSカメラで惑星を撮影しよう というようなページが出てきて,赤道儀で望遠鏡を自動追尾してビデオ画像を撮ってそれを合成して作るみたいなやり方が王道らしい.

 

確かにすごい画像が撮れるんだけど,むっちゃお金とノウハウが必要そうなので,もっと手元にあるデジカメだけできないかとやってみました.

 

というわけで用意したのがふと手元にあった普通のコンパクトデジカメ Nikon Coolpix P1000 . いや普通じゃないしコンパクトじゃないし!っていう突っ込みは置いておいて... 

 

このカメラのページにも

COOLPIX P1000 月・惑星撮影クイックガイド – 木星、土星を撮影しよう | ニコンイメージング

っていうページはあるけどこれ絶対思いっきり赤道儀で自動追尾している上に湿度や風や光害のないすばらしい条件で撮ってますよね.

こっちは春のゆらゆら大気の中,つくばの明るい街灯の輝く集合住宅のベランダから撮ろうっていうことなので.

 

自分もコンパクト赤道儀みたいなのは一応持ってるんだけどとてもこの超巨大コンデジ(!)を載せられる耐荷重はありません.

 

というわけで某月某日夜明け前に起きて撮ってみました.生画像はこんな感じ.ネットで見るのとは違ってぼやっとはしているけど土星の輪が撮れてプチ感動.

f:id:toddler:20200424032605j:plain

(上のような画像からいいのを選んで,あと木星と火星も)少しだけ画像処理してインスタに投稿したのがこちら 

www.instagram.com

思いつくまま苦労した点やポイントなどを書いてみます.

  • ピントはマニュアルにするもののちゃんと合っているのかどうかいまいちよくわからない.実際木星はあまりピントが合っていないように見える
  • そもそも春の大気はよくゆれて惑星もゆうれいみたいにゆらゆらゆれるし,若干霞がかかっているのか画像もネットとかで見るよりずいぶんぼーっとしている.
  • 三脚には載せてるけどカメラを操作するだけでカメラが動いて惑星が画角から外れて再導入がいちいち大変
  • シャッター押してもぶれるので一応有線レリーズも使いました.持っていない場合はタイマーとかでもいいけど連写とかが難しくなる.
  • 赤道儀使ってないので惑星が画像内をどんどん動く.デジタルズーム込みで35mm換算で12000mm相当(倍率で言えば24mmx500倍)なので,画像の端から端まで30秒ちょっとで通過してしまう
  • はじめは RAW 画像で撮影してソフトウェア現像しようと思ったんだけど,RAW だと光学ズーム3000mm相当までしか撮れなくて小さすぎて今回は却下
  • ISO設定,シャッタースピードをどれくらいにしていいのかの感覚がいまいちわからない.絞りは開放にして,ISO 800~6400, シャッタースピードは 1/60~1/250 くらいまでで適当に設定
  • 木星はかなり明るいので衛星と一緒に撮ろうとすると白飛びしてしまう
  • 火星は小さくて形はほとんどわからない

というわけでもう少し条件の良い夜を選んで2回目の撮影にトライしました.

コンピュータを使った後処理(複数枚によるコンポジット処理と呼ばれるもの)などもやってみましたが,思いのほか長くなったので今日はこの辺で.

後編に続く.